亡くなられた方が不動産をお持ちの場合、その不動産は遺産として分割対象財産になります。そして分割=誰が相続するかが決まると、登記手続きをします。
私が相続しました、所有者はわたしです、ということを公的に記録することで、相続人(=所有者)が売ったり貸したりできますし、管理不足なら周辺の人が所有者を調べて連絡したりすることができます。
しかし、登記手続きにはお金がかかります。
登記手数料(法務局に納める、印紙で支払う手数料です)は、一般的に、固定資産税評価額の1000分の4です(4000万円の評価額の土地なら、1万6000円になる計算です)。しかし、この手数料以外にも、司法書士に依頼するとなるとその費用がかかります。葬祭費用や相続税の出費のおり、また払うの!?と思うかもしれません。必要な資料を準備する手間もかかります。遺産分割で親族間で不和が出てしまっていたら協力を求めるのも億劫かもしれません。
そんな理由で相続登記を先延ばしにされる方は多くいらっしゃいます。
だからひいひいお祖父さんが所有者の土地に住んでます、ということもよくあります。
先延ばしにしている間に相続人が亡くなると、相続権がその子、孫に継がれます。子孫の代になると、人数も多いですし、その内のひとりが海外に移住していたりすると、意思確認にもひと苦労です。
これまでは、このような事態(相続登記がなされていない事態)は見過ごされていましたが、
令和3年4月21日の民法改正・新法成立、R6年4月1日施行により、
相続登記の申請が義務化されます。
相続によって不動産所有権を取得したことを知った日から3年以内に相続登記の申請をしなければならない、というものです。 正当な理由なく申請しないと、なんと、10万円支払わなければなりません。
(実際は、法務局から催告されそれでも従わない場合、と若干の留保があるようです。)
東日本大震災が起きたあと、復興を進めたくても所有者不明の土地が事業の弊害となった例が出てきたことから、このような施策になりました。
これを機に、一度ご自分の不動産の所有者を確認してみると良いかもしれません。