【事案の概要】
依頼者は、中古物件を知り合いに、築20年であることを告知した上で、金1000万円で売却しました。
当該知り合い(相手方)は、リフォームをする前提で、当該物件を購入しました。
リフォーム代は300万円ほどで済むだろう、と考えていたようです。
しかし、実際は見た目以上に老朽化が進んでいたようで、600万円以上のリフォーム代がかかりました。
そのため、相手方は依頼者に対して、「聞いていたよりもひどい状態だったので、売買代金は300万円減額してもらわなければ困る。300万円、返してほしい」と言ってきました。
対応に困った依頼者は、当職に交渉を依頼しました。
【交渉の経緯】
当該売買契約の契約書には、「現状有姿」で売却するし、後から欠陥が見つかっても賠償請求はできない旨の規定がしっかりと用意されていました。
また、契約締結前に3回にわたって物件の内覧を実施しており、物件の老朽状況は説明済みでした。
そのため、依頼者としては、心苦しい思いもありましたが、「リフォーム代が想定外だったのは相手方の見込み違いだったと言わざるを得ず、売買代金の減額には応じられない」と回答しました。
相手方としては、納得いかないという思いもあるものの、契約書の記載からやむを得ないと理解したのか、請求を断念してくれました。
【ひとこと】
知り合い同士の売買契約であった場合、なかなか本音で話ができないところがございます。
本件も、依頼されるまでは、本音では売買代金の減額には応じたくないと思いながらも、相手方とかねてより知り合いだったこともあり、言い出しづらく、依頼者は「減額しない」と言い出せずにいました。
本音をしっかり伝えるためにも、弁護士を交えての交渉をご検討ください。
弁護士 泊 祐 樹
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