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【相続コラム①】遺言書の有効要件について

遺言書の有効要件について


 遺言は、法律の規定に従って作成された場合のみ、有効なものとして効力が発生します。
では、有効な場合とはどのような場合でしょうか。今回のコラムでは、このような「遺言書の有効要件について」解説させていただきます。

①意思能力があること


 遺言の方式にかかわらず、意思能力(自己の行為の結果を弁識するに足りる能力)、つまり自分のやっていることがどのような結果になるのか判断する能力が必要です。
 加齢による認知症によって、遺言の内容を正しく理解できない状態では、意思能力があるとは判断されません。

②遺言能力があること


 民法961条に、遺言ができるのは15歳からとなっています。15歳以上であれば誰でも遺言できます。

③民法規定の方式で作成したものであること


 民法規定の遺言方式には、(1)自筆証書遺言(2)公正証書遺言(3)秘密証書遺言(4)特別方式があります(民法967条)。

(1)自筆証書遺言とは
 全文、日付及び氏名を自署し、押印する方法で行うもの(民法968条)をいいます。

 作成される方が最も多く、簡易的なものですが、全文、日付、氏名を自署する必要がございます。パソコンで遺言の内容を打ち込んで、署名だけ本人がすれば良い、と考えていらっしゃる方もいるようですが、それは誤りです。

(2)公正証書遺言とは
 公証人がいる公証役場で公正証書として遺言を作成するもの(民法969条)をいいます。

(3)秘密証書遺言とは
 遺言書の内容を秘密に作成し、その遺言の存在を公証役場にて確認してもらうもの(民法970条)をいいます。公正証書遺言と違い、遺言書の存在確認のみを公証役場で行い、記載内容や法律に沿って書かれているかなどは確認しません。

(4)特別方式の遺言とは
 特殊な状況下で利用される遺言の形式です。状況ごとに遺言に必要な要件が定められています。例えば、船舶が遭難し生命の危機に瀕した場合に行う遺言をいいます(この場合は遺言書の作成自体を不要とし、証人二人の立会いを以て口頭で遺言できます)。

<遺言の有効性が争われるケース>

以上に見たとおり、15歳以上の、意思能力がある人物が、民法の規定に沿って遺言した場合、それは有効とみなされます。
 では、遺言の有効性について争われる、というのはどういう場合でしょうか。

(1)意思能力の有無が疑われる場合


 遺言する人はほとんどが高齢者であるため、その意思能力が疑われる場合もあります。

 遺言が作成されていても、それがいつ書かれたものなのか、認知症を発症する前?後?発症した後だったらちゃんと遺言の内容を理解していた?と気になります。


 裁判例には、公正証書遺言を作成しても無効になった例もあります。

(2)民法規定の方式(遺言要件)を満たしていない場合

 公正証書遺言を作成する場合は、公証人が気をつけていますので法律上の様式を満たさないということはまずありませんが、自筆証書遺言、秘密証書遺言においては、記載要件を満たしておらず無効となるケースが多くあります。
 たとえば、自筆証書遺言には遺言の日付を記載する必要がありますが、日付を記載しなかった、あいまいな記載をした(よく挙がる例としては「◯月吉日」)ため、無効となるケースなどです。

<おわりに>

せっかく作成した遺言書が、有効要件を満たしておらず無効となってしまっては大変です。遺言書を作成される際には、確認のためにも是非一度弁護士までご相談ください!

 

                                弁 護 士  泊  祐 樹

 

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