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【解決事例・相続③】

<事案の概要>


相続事件に関する解決事例です。

依頼者は二人兄弟で、そのお父様が他界されました。お母様はお父様より前に他界されておりました。

お父様は「全財産を、長男に相続させる」という趣旨の遺言書を残しておられました。

この遺言書の内容に、次男は到底納得できませんでした。
というのも、お父様が他界される直前まで福岡県にてお父様の身の回りの世話をしていたのは次男さんご夫婦だったためです。長男は東京の会社に勤務しており、一年に何回かしか、お父様のお見舞いに訪れていませんでした。

後に、長男が見舞いの際に、自身がお金に困っていたこともあり、お父様に頼み込んで上記内容の遺言書を書いてもらった、ということが判明したのです。

せめて介護を協力してくれた妻にいくらか渡してあげたい、と思った次男さんは、当職のもとを訪れ、なんとかいくらか遺産を受け取れるようにしてほしい、と依頼をされたのでした。

<方針>

①遺言の無効確認

事件処理の方針として、次男さん(以下「依頼者」)は「そもそも、無理矢理書かせたようなものなので、遺言書は無効でしょう。それを確定してください」という希望をお持ちでした。要するに、「遺言無効の確認訴訟」の提起をご希望でした。

しかし、年賀状の筆跡などと見比べてもお父様の文字で遺言書が書かれていることに争いはなかったですし、病死をされたとは言え他界される直前までお父様は認知症などではなく意識がはっきりされていたこと等からして、これを争うのは難しいと判断し、この方針はとらないことといたしました。

②遺言をないものとしての遺産分割交渉

次の方針として、「遺言をないものとして遺産分割交渉をできないか、長男に確認してみる」ということを考えました。
遺言書が残されていても、法定相続人の全員がこの遺言書によらずに遺産分割交渉をすることに同意をする場合、そのようにすることが可能です。
そこで、「依頼者夫婦がいかに介護を頑張ったか」を説明したり、「今後の親族間の関係を良好にするためにもなんとかお願いしたい」というようなお願いの記載をしたりして、遺言書に関係なく、相続財産を2分の1ずつに分けさせてくれないか、という趣旨の手紙を送付しました。
しかしやはり、長男さんはこれに対して弁護士を通じて「NO」の回答をしました。

③遺留分侵害額の請求

そこで、最後の手段として、遺留分侵害額に関する請求を行うことにしました。
遺留分というのは、被相続人の遺言によっても奪うことができない、相続人の相続分のこと、などと説明されます。
今回の依頼者のように、被相続人の「子」にあたる相続人は、(相続人が他の「子」との2人だけである場合)通常の法定相続分は2分の1ですが、その半分に当たる4分の1については「遺留分」として本件のような遺言書が残っていても、受け取ることができるのです。

<結果>

上記③の請求を行うことで、預貯金や株、そして不動産などを併せておよそ6000万円分ほどあった被相続人の相続財産のうち、1250万円ほどを、依頼者は現金で受け取ることができました。

<まとめ>

遺留分という制度をご存じでない方も多いと思います。
本件のような遺言書が残された場合、遺留分制度を知らず、「もうどうしようもないのか、、」と諦めてしまっている場合もあるようです。
遺留分額侵害請求については、被相続人の他界を知ったときから1年以内に請求の意思表示をしなければならない等、権利行使方法に制限があります。
本件のような遺言、また「すべて」とまではいかなくても特定の相続人に多くの相続財産を残されるような遺言をが存在する場合で、その内容に納得できない場合、まずはお気軽に弊所にご相談ください。

弁護士 泊祐樹

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