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【解決事例・不貞の慰謝料請求②】不倫をしてしまい、300万円の慰謝料を請求されていたが、20万円の支払いで和解して解決した事例

<事案の概要>

不貞行為をしてしまい、慰謝料を請求されている男性の依頼を受けた事案です。

依頼者は、出会い系で知り合った女性と肉体関係を持ってしまったところ、その女性には夫がいて、後日その夫から慰謝料を請求されました。

依頼者はまだ学生で、慰謝料を支払う資力などなかったため、その夫からの電話やLINE、手紙による連絡をすべて無視していました。

するとその夫は弁護士を雇い、地方裁判所に慰謝料の支払いを求める裁判を提起しました。

流石に逃げ通せないと感じた依頼者は、当職に裁判の対応をしてほしいと依頼をしてきたのでした。

<方針の決定>

当初は、「配偶者のいる人と肉体関係を持ってしまった以上、それは不貞行為として不法行為(民法709条)に該当しますので、慰謝料は払わないといけないですね、、。資力がないようですので、減額や分割払を認めてもらうよう、和解交渉しましょう。」と当職は提案をしました。

しかし、依頼者から話を聴き取っていくうちに、重要な事実が判明しました。

依頼者が利用していた出会い系サイトでは、男女が出会う前に一定のメッセージのやりとりをすることができるのですが、そのやりとりの中で本件女性は依頼者に対して、「出会いがなくてまだ独身」「いつも寂しく一人でご飯を食べている」「結婚を前提にお付き合いできる人を探している」という内容のメッセージを送っていたのです。

それを見ていた依頼者は、この女性には配偶者などいない、と信じていました。そしてこれらのメッセージのやりとりを見る限り配偶者の影はまったくなく、「配偶者はいない」と依頼者が信じることに、過失(落ち度)がないといえるような状態でした。

本件では、依頼者はこのどちらの場合(故意・過失)にも該当しないのでは、と気づくに至りました。

そこで、当職は裁判において、これらのメッセージのやりとりを証拠として提出し、「その女性と不貞行為に及んでしまったことは事実だが、被告(依頼者)には故意も過失もなかったため、慰謝料の支払い義務は負わない」という主張を行いました。

<裁判所からの和解案>

最終的には裁判官にも当方の主張が説得的であると受け止められ、裁判所から、「知らなかったとはいえ、配偶者のある身の人と肉体関係を持ち、その夫婦を離婚に至らしめてしまったのであるから、一種の迷惑料として20万円の支払いだけしませんか」という提案がなされました。

当職としてはかかる提案がなされたことで更に自信を強め、「このまま判決までいきましょう。きっと請求棄却判決が出されて、慰謝料の支払いは0円と認定されますよ」と依頼者に提案しました。しかし依頼者としては、このまま裁判が長引き尋問の手続が実施されて相手の弁護士からいろいろと叱咤されることが予想されること、一審の判決に納得しない相手に控訴され、まだ長期間裁判対応を強いられること、それに弁護士費用が追加でかかること、等を考慮して、「もう和解に応じることでいいです。迷惑をかけたのは本当ですし」と言って、当該和解に応じることとなりました。

<結論>

相手方も「このまま判決になって慰謝料がもらえず弁護士費用の払い損になるよりは」との考えから、裁判所の提案に応じる旨の回答をしました。

そのため、裁判所の提案の通り、依頼者が相手方に20万円の「解決金」を支払うことで、和解が成立しました。

<感想>

上記の流れですので、当職としては、あの裁判官の感覚からすると、このまま判決まで進んでいたら、依頼者が相手方に支払うべき慰謝料は0円、と認定されていたのでは、と思っています。

なお、本件では、依頼者が女性と肉体関係を持った翌週にはその夫から慰謝料の請求の連絡が来ており、いわゆる美人局では、との疑いがあったことも、裁判官の心証に影響を及ぼしたのかも知れません(形式上、離婚届は書いていたようですが、、)。

<ご案内>

不貞行為をしてしまったが、相手が既婚者だと知らなかったし、気づきようもなかった、とお考えの方は、請求されている慰謝料の支払い義務がなくなる、もしくは減額ができる可能性がございます。まずはお気軽に当事務所までご連絡ください。

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